東日本大震災復興支援活動の取り組みの1つとして、パルシステム茨城 栃木が2016年度からスタートさせたSC南三陸(南三陸サポーターズ倶楽部)は、今年で10年目となります。2025年度の会員(サポーター)募集のため、プレーヤーとの「交流」をメインとして開催しました。
今年は、初めて参加された方の比率が高く、皆さんとても熱心にプレーヤーの話しを聞いていました。一方で、これまで交流会や現地視察企画に参加されている方の参加もあり、プレーヤーの皆さんと顔なじみとなり再会を喜ばれている様子も見受けられ交流が深まっていることを感じました。
SC南三陸事務局を担っている波伝の森山学校合同会社の渡辺氏よりSC南三陸が創設された経緯・仕組み等が説明されました。組合員がサポーターとして会員登録すると、特典として南三陸町の海の幸、「戸倉っこかき」や「たこ・あわび」「わかめ・うに」などが、それぞれの漁獲時期にサポーターに届けられます。昨年度からは、山守りの渡辺氏手作りの「ワイルドスツール」をお届けするコースも新設されました。さらに南三陸町へ宿泊を伴う現地での海や山に関わる体験をおこなうことで、宿泊補助としてパルシステムのポイントが一人10,000ポイント付与されることなどが説明されました。
昨年度までは、牡蠣の殻剥き体験の時間を設けていましたが、今回は特典として届く海産物についてよりよく知っていただきたいとの思いから、牡蠣やたこ・わかめについて、その生態やどのように養殖しているのかについて詳しく説明する内容としました。
震災後は養殖方法を変更し、環境にも配慮した漁業をすすめてきました。震災以前は密だった牡蠣の養殖場のケタの間隔を広げることで、十分な栄養を与えることができ、大きな牡蠣を育てることができるようになったとのことです。しかしながら近年の温暖化による海水温の上昇や海流の変化などの影響で牡蠣の生育の遅れやホヤ貝が死滅してしまうなど、漁獲量の減少と魚種の変化が非常に深刻な状況になっているとのことです。こういった現状から2025年度のサポーター募集にあたり、殻付き牡蠣ではなく剥き身の牡蠣に変更した理由として、確かな物をお届けするために殻を開けて中身を確認する必要性を感じての対応だということも説明されました。
漁師や山守りの皆さんと直接顔を合わせて話しを聞くことで、南三陸町の海と山の状況を身近に感じることができる機会となりました。プレーヤーからは「ぜひ、南三陸町に遊びに来てください。」との声掛けがありました。
これからも南三陸町の第一次産業の現状を学ぶ場として継続していきます。